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作詞講座第二章 叙事詞はたいやきに学べ 1
第二章 叙事詞はたいやきに学べ
この章では叙事詞について書いていきますが、その前に、表記の問題です。
正しい漢字表記は「叙事詩」ですが、歌であることを明らかにするために、あえて「叙事詞」と表記します。
「叙事詞」と表記した場合は、ポピュラーミュージックの「歌の詞」に限定していると思ってください。
広辞苑によれば「叙事」とは、「出来事、事実をありのまま述べること」であり、歴史的事件を英雄、神を主人公に書かれた詩というのが「叙事詩」の本来的な意味です。
現代的解釈としては、歴史的事件でなくても、「詩という表現法を用いた物語」が妥当でしょう。日常でも「叙事詩」は形容詞として使われます。「この映画は一編の叙事詩である」などがそれです。
「この映画は、ほかの映画よりおしゃれで、芸術的で、知性的だから、自分のことをおしゃれで、芸術的で、知性的だと思っている人は見に来なさい」と言いたいコピーでしょうが、形容としては常套的で、陳腐でさえあります。
このように「詩的」だの「詩のようだ」といった形容は、「ちょっと芸術的」であることを表現したい時に、よく用いられます。寺山修司は「詩人は職業ではなく、形容詞である」と言っていましたが、詩に関係した言葉はすぐに形容詞になってしまうようです。
「抒情詩」も「叙事詩」と並んでよく知られています。詩の三大部門とは「叙事詩、抒情詩、劇詩」だそうです。それでは、歌詞はどうでしょうか。歌詞も大きく三種類に分けることができます。
一 叙事詞
一 抒情詞
一 メッセージソング
「メッセージソング」の日本語訳がないのでアンバランスになってしまいましたが、こうなります。
しかし、今、書かれているすべての歌詞が、このように明確に分類できるわけではありません。現在作られる歌詞は、叙事詞、叙情詞、メッセージソングの要素をうまく取り込んで作られるのが一般的です。
歌詞の三要素とは「叙事性」「叙情性」「メッセージ性」であると言いかえることもできます。
本家アメリカでは「叙事詞」はポピュラーな存在ですが、日本では「叙事詞」は「叙情詞」より圧倒的に少なく、この章でとりあげる『およげ!たいやきくん』のような完全な叙事詞はほとんどありません。
『およげ!たいやきくん』は日本のポピュラーミュージック史の中で、突然変異的名作であるといえます。
それでは、なぜ日本では「叙事詩」が少ないのでしょうか。
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by フリーダムミュージックスクール・東京高円寺作詞講座作詞教室